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大入道は西日本でもエピソード多数。

西側の大入道

徳島県での目撃談

西側の大入道 写真

この言い伝えは正確には目撃談ではありませんが、その存在を肯定するお話なので ここで紹介しても差し支えないでしょう。 徳島県の名西郡には人間に親切な大入道の逸話があります。 この辺りでは水車におコメを置いて作業の準備を整えておくと、大入道がやってきて 代わりにおコメを突いてくれたそうです。 我々人類よりも怪力の持ち主なのでしょうし、「力仕事は任せとけ、お前さんの 代わりにやっておいてやんよ」といったことなのでしょう。 なにしろこの物語で活躍する妖怪は身の丈およそ8メートルもあるので、おコメを 運ぶことくらい造作もなく息を乱さずにこの作業を完遂できたと思われます。 人間だって頑張ればできることですが、力持ちにお願いしたほうが効率も良いので この地域では大入道の力に頼る人も多かったようです。 人に対して親切な大入道ですが、その作業を覗き見しようとしたら滅茶苦茶怒った そうで、彼が仕事をしている間は決して作業風景を観察してはいけないという ルールもあったそうです。 もしもそれを破ってしまったら8メートルの妖怪に怒られるので、調子に乗って その掟を無視するような人はあまりいなかったのでしょう。 身長2メートルの怒り狂うプロレスラーでもそれなりに恐い存在ですが、その4倍 の大きさですから逆らう気にはなれませんよね。



滋賀県での目撃談

滋賀県の伊吹山にたくさんの雨が降り注いだ夜のことです。 土砂降りの中、巨大な大入道が松明を灯して地面を揺らしながら姿を見せました。 地震のように揺れまくったので家の中にいては危険だ、それにこの大イベントを 見逃す手はないとみんなが外へ出てキョロキョロしようとしたのですが、長老が 好奇心に駆られた人々をきつく制止しました。 この長老は激しい地揺れの正体も、その時の対処法も心得ていたのでしょう。 きっと過去にも同じような経験をしており、その時には若かった自分にどんな行動を とるべきなのか、当時の長老が教えてくれたのかもしれません。 そんなわけでみながじっと住宅の中で音がしなくなるのを息をひそめて待ちました。 しばらくして地面の揺れも収まり、大入道の足音も聞こえなくなったので屋外に 出て何事だったのかを検証しはじめましたが、常識では考えられない現象なので 長老の豊富な知識に頼ることになります。 彼曰く山のような大入道が歩いていったのだろう、明神湖からやってきて伊吹山 へと向かったのだ、とのことでした。 登山が趣味の妖怪なのかは知りませんが、伊吹山の山頂を目指して移動中の 大入道に遭遇した話で、そのことを知っていた人間がいるのできっとこのルートは 大入道のお気に入りのコースだったのでしょう。 今でももしかしたらこっそりここを通っているのかもしれませんね。



兵庫県での目撃談

兵庫県も妖怪の情報が豊富な土地なので、大入道にまつわる逸話もいくつかあります。 中でも興味深いのは播磨国、現在の神戸市あたりでの目撃談になります。 夜中に山中へと入り猟をしようとしたところ、とてつもなく大きな男が自分を 睨みつけているのに気がつきました。 山伏の格好をしており身長は目視では測れないほど、山をまたぐようにしていたので キロメートルの単位の巨大さだったようです。 ひとめで人間ではないとわかるサイズですし、山伏のような衣装だったのでこの正体 は山の守り神、動物を殺すことを良しとはしない存在だったのではと言われています。 猟をするのをやめさせようと、睨みを利かせていたのですね。 それにしてもこのクラスの大入道は国内で目撃された中でもトップクラスのでかさで、 妖怪ではなく山の神の姿だったとしても実にそそる逸話です。 この地域にはそこまで大きくない大入道の話もあります。 佐用郡で夕方にお友達とふたりで歩いていたところ、前方に行く手を阻むように 身長3メートルほどの大男が仁王立ちしていたそうです。 大入道にしては小柄な部類ですが人間ではありえない大きさなので、ここで遭遇 したものは妖怪の類と考えてもいいでしょう。 しかも不思議なことに、二人組みのうちひとりにしかその姿は見えなかったらしく、 もうひとりは霊感がなかったのか全く気がつかなかったそうです。



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